高校生の時父親にお金を盗られた話

 

 私は高校3年生の晴頃、父親にそれまで貯めていたお年玉やお小遣い30万を盗られた。

 

私は高校生の頃祖母と2人暮らしをしていた。

学校から帰宅すると祖母に「お父さんがお金が必要だって言われて通帳渡したから。」と告げられた。

勝手に?なんで?

理解出来なかった。

「どうして!!」と叫んだ。祖母からまた「仕事でどうしても必要みたいだから」と言われ、私の頭の中の糸がとうとう切れた。

地方に住んでいる私は無謀でもそのお金で東京で1人暮らしがしてみたかった。

 

私の父は私が6才能頃から事業をしており、ほとんど上手くいっていなかった。お金が足りないと言って父の弟によく金の無心をしていた。

挙げ句の果てに不倫し、隠し子まで作っていた。

恐らく私の30万は父の隠し子に使われたのだと思う。

 

もう高校1年の時には家庭が完全に崩壊していた為、大学へは行けない事はわかっていた。

そしてなけなしの30万を盗られた事により私の心は完全に壊れた。

自暴自棄になり毎日を過ごした。

 

2年後の私が20歳のの時、借金を返さないまま、父は癌で亡くなった。

 

 そして20年経った今も、職場などで学生の時東京で1人暮らしをしていたなどの話を聞くと羨ましくてたまらない。

 

来春から大学進学をして一人暮らしを希望する高校3年生の娘に口うるさく注意すると「ママは1人暮らしした事ないんだから口出ししないで!!」と実の娘からも言われる始末。

 

20年経った今もあの時30万があれば今違ったかもと考えない日はない。